Q.労使トラブルを防ぐため、採用選考の段階でどのようなことを注意して、確認すればよいでしょうか。
2022.01.11採用・異動・出向
A. 採用面接の際、面接を受けに来た方に対して「聞いては
いけないこと」があります。良かれと思ってした質問が
「法律違反」「人権侵害」や「就職差別」になってしまう
可能性があるので注意が必要です。
具体的には、次のようなケースがあります。
①人種、民族、社会的身分、本籍、家族の職業・収入、職務
とは直接関係ないスリーサイズの情報等、社会的差別の恐
れのある事項
②人生観、支持政党など思想および信条
③労働組合への加入状況、消費者運動、その他社会運動に関
する情報等
があげられます。
次に、入社後の労使トラブルを防ぐためには、応募者の審査
をしっかりと行うことが重要です。
応募者の健康状態や過去の転職状況等、面接や履歴書では
つかみにくい情報を把握するために、業務に必要な範囲内で、
自己申告により応募者に答えてもらう書面を作成し活用しましょう。
具体的には、以下のような質問項目です。
【健康状態について】
・過去1年以内に、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことや
検査・治療・入院・手術をすすめられたことがありますか等々。
【過去の転職状況について】
・過去の退職会社名と理由について、記載してください。
・入社後に前職または前々職の各企業から退職証明書を提出頂くことに
承諾いただけますか等々。
【その他】
・親族の中に、反社会的行為を行っている人がいませんか。
・残業が一定程度発生しますが承諾いただけますか。
・社内マニュアル等の説明を受け、その内容について承諾いただけますか。
・資格取得者であることを理由に入社される場合、その資格はありますか。
なお、採用選考時に応募者が記載した内容に虚偽があった場合には
採用決定後であっても採用を取り消すことがある旨を
就業規則に記載することで、労使トラブルを防ぐことができます。