Q.当社は数年前に作成した就業規則の見直しを検討しています。就業規則の見直しをする時に必要なチェックポイントを教えて下さい。

2021.09.27その他

過去に作成したままの就業規則は危険です。
なぜなら労働関係の法律は毎年のように改定があるためです。
最新の法改正に対応出来ていない就業規則は、法改正に応じた内容が記載されていないため、その部分は無効とみなされてしまいます。
労務トラブルが生じた場合に会社や社員を守ることが出来なくなります。

就業規則とは、会社で働く従業員の労働条件や服務規律を定めたルールブックであり、労使トラブルを未然に防ぐ会社と従業員を守る盾となるものです。
以下に近年の主要な法改正に伴う就業規則の変更ポイントを例示しますので、現在の就業規則が対応できる内容となっているか確認してみてください。

☑正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差がない
→正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間で、基本給や賞与などあらゆる待遇について不合理な待遇差を設けることが禁止されています。

☑ハラスメント防止措置の規定がある
→ハラスメントの苦情・相談に応じ、対応するための体制の整備が事業主に義務付けられています。

☑無期転換社員の取り扱いについて正社員と区別して明記されている
→無期転換とは、有期労働契約が更新されて通算5年を超えた時に労働者から申し出があった場合、無期契約に転換できるルールです。
無期転換社員向けの規程が無い場合、正社員の規程が適用されます。

その他にも…
・年次有給休暇の日数のうち、年5日については、使用者が時季を指定して取得させることが必要です。(2019年4月施行)

・子の看護休暇・介護休暇について、時間単位での取得が出来るようになりました。(2021年1月施行)

・65歳までの雇用確保義務に加え、70歳までの就業機会の確保措置を講ずる努力義務が課されています。(2021年4月施行)

いずれも、大幅な就業規則や運用ルールの見直しが必要になります。
労働関係の法律は、毎年改定されているため、年に1度は見直しをして、最新の法改正に対応した内容に改定する必要があります。
もちろん、作成した就業規則は従業員への周知義務、従業員が10人以上の事業場については労働基準監督署への提出義務があります。

見直しの際は不利益変更にならないような注意も必要ですので、専門家に相談することをお勧めします。

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