Q. 休職制度に続き、復職規程についても問題がないか見直したいと考えています。見直すポイントを教えてください。
2021.08.26休職・復職
A. 従業員が休職する際と同様、復職においてもお互いの認識のずれが
労務トラブルへと発展する恐れがあります。
具体的には、どういう場合に復職ができるのか、
休職期間が満了しても、ケガや病気が治癒しない場合はどうなるのか等
復職時に曖昧にならないような規程を就業規則に定める事が重要です。
●復職の判断は会社が行う事を示す
復職の判断は、会社側に裁量があるように定めます。
以下、どの表現に会社の裁量権があるでしょうか。
(1)「~した場合は、復職するものとします。」
(2)「~の書類により、復職を決定します。」
(3)「~した場合は、復職させる場合があります。」
(4)「~の書類により、復職の可否を判断します。」
(1)と(2)では、「従業員が~した場合は(従業員が提出した~の書類で)
必ず復職を許可する」となっているように読む事ができ、
会社の裁量を狭めています。
(3)または(4)の表現で会社に裁量権があるように定めます。
●復職の判断材料
復職が可能かを判断するポイントは、「休職前と同程度の業務を
行えるかどうか」です。
少なくとも「通常の始業時刻に出社し、終業時刻まで勤務する事が
可能か」を見極める必要があります。
規程には「傷病休職事由が消滅し、通常の始業時刻から終業時刻まで、
所定労働時間の勤務ができるようになったとき、復職させる場合があります。」
と定めます。
また、本人の意思のみで復職の判断はせず、
休職前と同程度の業務が可能であるかを確認する為に、
主治医の診断書を提出してもらいます。
主治医の診断書だけでは判断が難しい場合に、会社側が指定した
医師の診断を受けさせる事ができるように規定する必要もあります。
●休職後の退職時期
休職期間が満了しても、復職が不可能な場合は、
原則として「休職期間満了による自然退職」とします。
規程には「傷病休職期間が満了しても、傷病休職事由が
消滅しないときは、休職期間満了による退職とします。」
と定めます。
従業員には、休職時に休職および復職規程を周知し、
同意書を交わしておく必要があります。