Q.有給休暇をなかなか取れない社員が数名います。パートタイマー、アルバイトも年5日の有休取得義務がありますか?年5日の有休取得ができない場合の罰則はありますか?
2021.07.14労働時間と休日
A.パートタイマー、アルバイトでも、一定の要件に該当する場合は、
年5日の有休取得義務の対象となります。
有休を年5日取得させられなかった場合には、
「取得できなかった社員1人につき30万円以下の罰金」が
科せられることがあります。
有休の取得は、労働者の心身の疲労の回復、生産性の向上など
会社・労働者双方にとってメリットが考えられます。
年5日の有休を取得できるよう従業員に働き掛けましょう。
詳しくご説明しましょう。
○年次有給休暇の付与の原則について
年次有給休暇は、入社後6か月勤務し、
全労働日の80%以上出勤した従業員に付与され、
以後1年ごとに新たに与えられます。
正社員だけでなく、パートタイマー、アルバイトにも
有休は付与されますが、週所定労働日数が4日以下、
かつ週所定労働時間が30時間未満の従業員には、
その労働日数・労働時間に比例した日数の有休が与えられます。
○有休の年5日取得義務とは
有休付与日数が10日以上の従業員に対し、
有休を付与した日から1年以内に5日について
取得をさせなければなりません。
この場合、有休付与日数が10日以上のパート、
アルバイトについても、年5日取得の対象となります。
従業員が希望する日に5日以上取得できる事が原則となりますが、
5日以上の有給休暇を取得していない従業員に対しては、
会社が従業員の意見をあらかじめ聴取したうえで時季を指定して
不足分の日数を取得させなければなりません。
なお、時間単位の有休を取得した場合は、
5日以上取得の対象とはなりませんので注意が必要です。
○罰則について
有休を年5日取得させられなかった場合には、
労働基準法第120条で「30万円以下の罰金」とされており、
会社単位ではなく、取得できなかった従業員1人につき、
30万円以下の罰金が科せられる罰則となっています。
○有休残日数の管理について
年5日取得義務を守るためには、有休残日数の管理が重要です。
有休の管理簿を作成し、従業員1人1人について、
(1)取得時季
(2)日数
(3)基準日
を記載して、3年間保存しなければいけません。
管理簿によって、有給休暇の取得状況を確認し、
5日取得ができていない従業員には、メールなど、
記録に残る方法で、取得を促すようにしましょう。