【働き方改革シリーズ第5回】同一労働同一賃金
2021.02.12法改正
今回は働き方改革シリーズ第5回
「同一労働同一賃金」について解説いたします。
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Q. 同一労働同一賃金の施行が目前に迫っていますが、私たち中小
企業は今からどのような準備をしておけばよいのでしょうか?
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A.同一労働同一賃金とは、
正社員(無期雇用労働者)と非正規雇用労働者(短時間労働者・有期雇用労働者)
との不合理な待遇差を解消することです。
禁止事項として2つ定められています。
中小企業は2021年4月1日から施行となります。
正社員以外の働き方をする社員を雇用している中小企業は対応が必要です。
中小企業に求められることは以下の2点です。
1.同じ企業で働く正社員と非正規社員との間で、基本給や賞与、手当、
福利厚生などあらゆる待遇について、不合理な待遇差を設けること
が禁止されます。
・差別的取扱いの禁止【均等待遇】
職務内容が同じであれば待遇を同じにしなければならない。
・不合理な待遇差の禁止【均衝待遇】
正社員と非正規社員の待遇が、働き方や役割の違いに応じたもの
になっているかが重要な点です。
職務内容、責任の程度、配置の変更範囲(人事異動・転勤あるなし)、
その他の事情の内容を考慮し、待遇を決める必要があります。
2.事業主は、正社員と非正規雇用社員の待遇に差がある場合に、
理由について説明を求められた場合は、合理的な理由を説明
できなければなりません。(待遇に関する説明義務の強化)
・合理的な理由とは下記のような違いを説明できることが必要です。
【待遇差の例】
正社員には皆勤手当を支給しているが非正規社員には皆勤手当を支給していない。
非正規社員からなぜ皆勤手当を支給されないのか理由を問われたケース。
【違いの説明】
正社員は、1時間あたりの欠勤に対する業務量および、職務の責任範囲が
非正規社員とは異なる。
そのため、皆勤手当は、「当日の急な欠勤を控えていただきたい」
という趣旨でも支給をしている。
一方、非正規社員は、家庭の事情などで当日欠勤なども多少は認めており、
労働時間が正社員と比較し少ないことおよび業務量、職務の責任範囲は
正社員とは違う業務を与えている。
そのため、皆勤手当は支給していない。
・基本給や賞与、手当等の待遇差について
【基本給】
労働者の「能力・経験」、「業績・成果」、「勤続年数」に応じて支給するなど
基本給をどのような理由でその待遇にしているのか説明できるようにしておきましょう。
【賞与】
社員には支給しているが、非正規社員へ支給していない場合は、
同一労働同一賃金の内容に抵触する可能性があります。
賞与は会社への貢献度や、業績等で支給するものなので、
非正規社員には貢献度の違いで支給をしていないなどの理由を
説明できるようにしておきましょう。
【通勤手当】
通勤手当が、通勤にかかる費用を補填する趣旨で支給されていれば、
通勤にかかる費用は正社員と非正規社員とで異なるものではありません。
そのため、支給に差を設けるのは不合理であると判断される可能性があります。
上記のように、あらゆる待遇差について「説明」ができるように
準備をしておく必要があります。
明確にしておくこと
1.社員の種類(正社員・非正規社員・パートタイマー・アルバイト等)
2.上記社員の契約内容(労働時間、契約期間、配置転換転勤等の有無)
3.上記社員の賃金の内訳(基本給、その他手当)
4.上記社員が利用できる福利厚生施設や受けられる教育訓練
5.手当の差や待遇差があればその理由
同一労働同一賃金については、昨今様々な判例が出ております。
個々の会社ごとに判断が必要となります。
ご自社の給与規程を見直すとともに待遇差について合理的根拠があるか
確認してください。