【働き方改革シリーズ第1回】時間外労働の上限規制について

2020.12.10法改正

  働き方改革関連法の施行から1年、法改正への対応は充分でしょうか?
  コロナウイルスの影響が未だ予断を許さない状況にありますが、
  法改正は待ってくれません。
  正しく運用出来ているか、再度見直し、確認をお勧めいたします。

  今回から全6回にわたり、働き方改革をテーマに解説して参ります。
  第1回目の今回は、時間外労働の上限規制についてです。

  1.労働時間の取り扱い

  労働時間は労働基準法第32条で1日8時間、
  1週間40時間と定められております。
  原則、この労働時間を超えて労働させることはできません。
  しかし、36協定を労働基準監督署に届け出ることによって
  時間外労働が認められます。

  2.働き方改革関連法における労働時間の上限規制

  36協定で定める時間外労働に関して、
  罰則付きの上限規制が設けられるようになりました。

  この上限規制を順守せず、労働基準監督署からの
  是正を何度か受けたにも関わらず改善が見られない場合には、
  雇用主に半年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

  36協定の届出により原則最大一か月45時間、1年360時間
  まで残業をすることが可能となります。
  (月45時間は、1日当たり2時間程度の残業に相当します。)

  臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合には、
  ・年720時間以内
  ・複数月平均80時間以内(休日労働を含む)
  ・月100時間未満(休日労働を含む)
   を上限とし、労働することが可能になります。
  (月80時間は、1日当たり4時間程度の残業に相当します。)

  また、原則である月45時間を超えることができるのは、
  年間6か月までです。

  ※ただし、上限規制には適用を猶予・除外する事業・業務があります。
  (自動車運転業務、建設事業、医師、新技術・新商品等の研究開発業務など)

 3.長時間労働を抑制するための方法について

  まずは適正な労働時間の管理をする必要があります。

  具体的には、時間管理は出勤簿(手書きを含む)ではなく、
  タイムカード、ICカード等の客観的な記録で管理することが望ましいです。

  また、残業を承認制にし、一定の基準を設けることも有効です。
  その際は、承認した時間以上に残業をしていないか注意が必要です。

  一定期間ごとに労働時間を把握して、事前に現状の業務量の確認をするために、
  クラウドソフトの導入をお勧めします。

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