【休業手当支給時にも気を付けたい】平均賃金について
2020.05.01賃金
新型コロナウイルスの影響により、社員に休業を命じた場合、
休業手当を支給して雇用の維持に努力していることと思います。
休業手当は「平均賃金の6割以上の支給」が法律で決まっております。
そこで今回は「平均賃金」について解説致します!
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平均賃金はどんな時に使う?
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(1)労働者を解雇する場合の予告に代わる
解雇予告手当を支払うとき
(2)会社の都合により休業させる場合に、休業手当を支払うとき
(3)年次有給休暇を取得した日の賃金を支払うとき
(4)労働者が業務上負傷、疾病、死亡した場合の災害補償を支払うとき
(5)減給制裁の制限額
会社はこのようなときに平均賃金を使うことができます。
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平均賃金の定義と計算方法
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■平均賃金の定義(労働基準法12条)
「平均賃金を算定すべき事由の発生した日以前3か月間に、
その労働者に対し支払われた賃金の総額を
その期間の総日数で除した金額をいいます。」
■計算方法
「
過去3か月間の賃金総額(※1)÷過去3か月間の暦日数(※2)」
(※1)賃金総額は、通勤手当、割増賃金等の諸手当を含みます。(賞与は除く)
(※2)所定労働日数ではなく、暦日数(31日の月は31日)になります。
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平均賃金の最低保証について
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時給制や日給制、出来高払制の社員の場合、
原則の平均賃金の計算方法を適用すると金額があまりにも
低額になる場合があります。
そこで、平均賃金には最低保障額が定められております。
■最低保証額の定義
「賃金の一部又は全部が日給制、時間給制又は出来高給制の場合は、
平均賃金を算定すべき事由の発生した日以前3か月に、その労働者に
対し支払われた賃金の総額を、その期間の労働日数で除した金額の
60%が最低保証となります。」
■最低保証額の計算方法
「(賃金の総額÷実労働日数(※3))×0.6」
(※3)実際に働いた日数
時給制や日給制、出来高払制の社員の場合は、
この最低保障額と通常通り計算した平均賃金とを
比較する必要があり、いずれか高い方がその方の
平均賃金となります。
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会社の都合により休業させる場合 (休業手当)
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会社都合により社員を休業させる場合、
原則は従業員に賃金の100%を支払うことが必要です(民法536条2項)。
ただ、一定の要件を満たせば、平均賃金の60%以上の
休業手当を支払えばよいケースもあります(労働基準法26条)。
以下、平均賃金の60%を支払うケースの計算例をみていきたいと思います。
例.月給制、賃金〆日が末日の場合、
1月(暦日数31日)の月給総額:33万円
2月(暦日数28日)の月給総額:27万円
3月(暦日数31日)の月給総額:30万円
3か月間の賃金総額:90万円
3か月間の暦日数(総日数):90日
平均賃金:90万円÷90日=1万円
つまり平均賃金は1万円となります。
会社都合で休業させた場合は、
「平均賃金」の60%以上支給というルールですから、
1万円の60%である6,000円を支給すればよいということになります。