Q.長時間残業があった社員には、医師による面接指導が必要になると聞きました。具体的にどのくらいの残業をすると対象になるのでしょうか。

2020.01.16労働時間と休日

A.1週間当たり40時間を超えた時間数をカウントし、
1か月80時間を超えると長時間労働者に該当します。

長時間労働者本人から申し出が有った場合には
医師による面接指導の機会を与えなければなりません。

労働安全衛生法が改正され、2019年4月1日より
すべての事業所で適用開始となっています。
以前は努力義務であったものが義務化となりました。

●面接指導とは

長時間労働は脳・心臓疾患の発症との関連性が強い
と言われています。ストレスが蓄積し、精神疾患の
発症につながることも考えられます。

そこで、医学的見地から
労働者の勤務の状況及び疲労の蓄積の状況その他の
心身の状況について問診等により確認し、必要な指導を
行うことが必要とされています。

指導を行う医師は、産業医の資格を持つ方が望ましいです。

●時間管理の方法

月に一回以上、定期的に記録する必要があります。
この時間記録は3年間の保管義務があります。

タイムカードによる記録、PC等の使用時間
(ログインからログアウトまでの時間)の記録等
の客観的な方法で行います。

自己申告による把握は上記の方法が実施できない
場合に限られる例外的な方法です。

●面接指導の流れ

(1)労働時間の算定の結果、長時間労働者に該当した。

⇒労働時間を本人への通知し、産業医がいる場合、
産業医へも知らせなければなりません。

(2)通知後、本人からの面接指導を受けたいと申出があった。

⇒医師との面接指導を実施しなければなりません。
費用は事業主負担です。

⇒実施後、事業主は、医師から結果を聞き、必要な
措置を検討します。結果報告の記録は5年間の
保管義務があります。

(3)必要な措置の実施

・就業場所や作業内容の変更
・労働時間の短縮
・深夜業の回数の減少など

面接指導の情報は、個人情報に該当します。
労働者本人の合意をもって、慎重に取り扱ってください。

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