Q.社員のお昼休憩中に、社内に届く荷物の受取や電話番を頼んでいます。これは休憩時間として何か問題がありますでしょうか。
2020.01.16労働時間と休日
A.ご質問のような場合、社内に待機する時間は
使用者の指揮命令下に置かれていてる「労働時間」
と考えられるため、「休憩時間」には該当しません。
1.休憩時間の定義
「休憩時間」とは、単に作業に従事しないといった
いわゆる「手待時間」は含まず、労働者が権利として
労働から離れることを保障されている時間をいいます。
現実に作業はしていないが、使用者からいつ就労の
要求があるかもしれない状態で待機している
「手待時間」は、就労しないことが使用者から
保障されていない為、休憩時間にはなりません。
2.休憩の3原則(労働基準法第34条)
(1)途中付与の原則
⇒休憩は労働時間の途中に与えなければなりません。
(2)一斉付与の原則
⇒休憩は一斉に与えなければなりません。
但し、下記の業種に該当する場合、
もしくは、労使協定を締結した場合は、
例外的に一斉に与えないことが認められます。
【業種による一斉付与の例外】
・運送業(旅客または貨物)
・商業
・金融、広告業
・映画、演劇業
・郵便、信書便、電気通信業
・保健衛生業
・接客娯楽業
・官公署の事業
【労使協定による一斉付与の例外】
休憩の与え方について、労使協定を締結します。
例えば、2パターンのお昼休憩を互いに
ずらして休むといった方法が可能になります。
就業規則等、個別の雇用契約書にも
明記する必要があります。
(3)自由利用の原則
⇒休憩時間は自由に利用させなければなりません。
但し、以下に該当する者は例外が認められます。
【業種による自由利用の例外】
・警察官
・消防吏員、常勤の消防団員
・児童自立支援施設に勤務する職員で
児童と起居をともにする者
・乳児院、児童養護施設、知的障害児施設、
盲ろうあ児施設及び肢体不自由児施設に
勤務する職員で児童と起居をともにする者
休憩の定義と原則を踏まえて、法律に沿った休憩時間
を確保することは、労働者の心身の疲労の回復に
つながります。また、会社は労働者の安全を確保しつつ
労働することが出来るよう配慮しなければなりません。