Q.新入社員の採用内定時に提出させる書類にはどのようなものがありますか。また、どのようなことに気を付けるべきでしょうか。

2022.01.25採用・異動・出向

A.採用内定とは、実質本採用と変わりません。
これは合理的な理由がない限り、内定取り消しができない
ということです。そのためしっかりと文書にて確認が必要
です。

提出書類としては、以下のようなものがあります。
職業安定法などの規制で、一部提出させてはいけない書類
があるので注意が必要です。

▼雇用契約書
会社は、採用する従業員に対して労働条件を明示しなけれ
ばなりません。
その際に、文書で明示しなければならない項目は、以下の通りです。
・労働契約の期間(期間の定めの有無等)
・仕事をする場所、仕事の内容
・始業時間、終業時間、時間外労働の有無、休憩時間
・休日、休暇の規定
・給与の決定
・退職に関する事項(解雇事由等)

これらの労働条件を明示した雇用契約書を用い、従業員の
合意を得た上で契約を取り交わしましょう。
また、労使双方が同意したことを確認するために署名・捺印
をした本契約書を保管するようにします。

▼入社誓約書
入社誓約書は、会社が決めた就業規則やルールを守る
ための書類です。雇用契約書等と一緒に、内定時に
提出してもらうようにしましょう。
誓約書の内容と、就業規則に規定されている服務規律や、
秘密保持に関する規定と内容を揃えることで、
誓約書の内容に反した行為をした場合、就業規則違反と
みなすことができ、懲戒処分等の対応が可能となります。

▼秘密保持に関する合意書
自社が持つ秘密の情報を会社の許可なしに、他の企業等に漏洩したり
不正に利用されたりすることを防ぐために結ぶ合意書です。

▼SNSに関する誓約書
SNSトラブル(炎上)対策のために具体的な禁止事項を盛り込んだ
誓約書です。具体的には、次のようなものがあげられます。
・会社に関する情報をSNS上に書き込まない。
・SNS上で関係者を誹謗中傷しない等。

▼身元連帯保証書
身元保証人となる人は、従業員の人物を保証したり、従業員の過失で
会社に損害を与えたときに賠償の責任を負ってもらう役割がありますが
近年では労使トラブルやメンタルヘルス不調になったときの
相談先・緊急連絡先としての存在意義が増しています。

何か起こった時のリスク対策として、提出していただきましょう。
またどのような時に身元保証人へ連絡するのかを明記しておくことで、
労使トラブルを防ぐことが出来ます。

▼その他
事業主には、雇入れ時の健康診断の実施義務がありますが、
雇入れ前3カ月以内の診断書提出で入社時健康診断が不要となります。

▼回収してはいけない書類
住民票、戸籍抄本・謄本は同和の問題から回収してはなりません。
住民票記載事項全部証明書であれば、本籍の記載がないことから
回収することが出来ます。

採用内定者に会社のルールや労働条件を入社前に正しく理解してもらう
ことが、労使トラブルの防止に役立ちます。
この機会に入社時の提出書類の内容を見直してみましょう。

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