Q.通院や、子供の学校行事などのために、時間単位で有給休暇を与えたいと考えています。時間単位での有給休暇制度を設けた場合のメリットやデメリットなどを教えてください。

2021.11.25労働時間と休日

A.時間単位の有給休暇は、会社が義務として
導入しなければいけない制度ではありませんが、
有給休暇の消化率を高めるなどのメリットと、
給与計算や有給休暇の管理が煩雑になるなどの
デメリットがあります。

時間単位の年次有給休暇(以下、有休といいます)とは、
通常1日や半日単位で付与される有休を、
年に5日の範囲内で、1時間単位で付与できる制度です。
なお、導入に当たり、労使協定を結ぶ必要があります。

●時間単位有休のメリット
・ちょっとした用事(病院や銀行に行きたいなど)のため
1日休む必要はない場合や、繁忙期でまとまった休みを
取りづらい場合にも、有休を取得しやすくなります。
・社員の遅刻や早退について、
社員が時間単位有休とすることを希望し、会社が
同意すれば、給与計算で遅刻早退控除などをせず、
有休として取り扱うことができます。

●時間単位有休のデメリット
・給与計算や有休の管理が煩雑になります。
・会社には、社員が年5日以上の有休を取得させる義務が
ありますが、時間単位有休は、この5日間に算入できません。
・短時間であるがために、業務に与える影響が小さく、
時季変更権が認められにくいことが考えられます。

●導入に当たっての手続き
時間単位有休を導入するには、書面により、
以下の内容を定めた労使協定を結ぶ必要があります。
労使協定の労働基準監督署への届け出は不要ですが、
就業規則に定めて社員に周知しなければいけません。

・時間単位有休の対象社員の範囲
工場でのライン作業を行う社員等、
事業の正常な運営の妨げになる場合には
対象から外すことができます。

・時間単位有休の日数
有休は本来、社員にまとまった日数の休暇を
与えるという目的があるため、1年に5日まで
の範囲内で定めます。

・時間単位有休1日の時間数
1日の所定労働時間に端数がなければ
所定労働時間を1日の時間数とできますが、
例えば、1日7時間30分が所定労働時間なら、
端数を切り上げて8時間として計算します。

・1時間以外の時間単位とするなら、その時間数
1時間以上であれば、2時間や3時間といった単位
でも定められますが、1日の所定労働時間未満
の時間数とする必要があります。

時間単位有休の大きなメリットとしては、有休取得率の向上が
挙げられますが、社員にとっては、より働きやすい環境となり、
会社にとっては、有休消化率が高い「働きやすい会社」
というアピールができます。

「働きやすい会社」というイメージは、
有能な人材の採用に繋がるのは勿論のこと、
顧客からの印象、ひいては経営活動にも良い影響を与えます。
また、有休の本来の目的である疲労の回復やリフレッシュ
により、生産性の向上にも結び付きます。

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