Q.当社は、当分の間65歳に達する労働者がいないのですが、今すぐ70歳までの就労機会を確保するための対応が必要でしょうか。

2021.09.10採用・異動・出向

A. 現行法では、定年を60歳以上とすること、その後希望者には65歳まで雇用確保することが義務化されています。
今回の法改正によって、これに加えて70歳までの就業確保するための措置が
努力義務として新設されました
今回は努力義務ですが、数年後には義務化されることが想定されるため、
出来るだけ早い段階での導入をおすすめします。

現行法の高齢者雇用安定法には、次の2点が定められております。
①定年を60歳未満とすることの禁止
②65歳までの雇用確保措置として、以下①~③いずれかの実施を義務付け
(1)定年を65歳に引上げ
(2)65歳までの継続雇用制度の導入
(3)定年制の廃止

今回の改正高年齢雇用安定法では、事業主に対し、
次の①~⑤のいずれかの措置を講じるよう努力義務を課されています。
①70歳までの定年引上げ
②定年制の廃止
③70歳までの継続雇用制度の導入
④70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
⑤70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
(1)事業主自ら実施する社会貢献事業
(2)事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業

この目的は「働く意欲のある誰もが年齢にかかわりなくその能力を十分に
発揮できるよう高年齢者が活躍できる環境整備を図ること」です。

70歳までの就業確保措置を導入する際はあらかじめ就業規則へ明記して、
社員に周知しておかなければなりません。
なお、④⑤を導入するには過半数組合または労働者代表との同意が必要となります。
経験豊富な高齢者を戦力として活用することも、企業の強みとなります。
この機会にぜひ70歳までの就業確保措置をご検討ください。

MKマガジン一覧へ戻る