年次有給休暇の法改正への対応

2019.02.27人事ニュース

いよいよ働き方改革法案の施行が近づいてまいりました。

 

年次有給休暇(以下、有給とします。)の法改正については、中小企業の猶予措置がなく、平成314月より対応が必要になります。従業員の有給消化は進んでいますでしょうか。

 

法改正情報に焦点を当てて解説致します。

 

①年次有給休暇の趣旨

 

有給とは労働者に与えられる権利の一つで、全ての会社に適用される制度です。これは会社を休んでも給与控除がされず賃金が支払われる制度です。

 

制度の趣旨は「労働者の心身の疲労を回復させ、労働力の維持を図るとともに、ゆとりある生活の実現にも資する」というものです。

 

しかし、近年はワーク・ライフ・バランスの観点から私生活に重きが置かれ、この趣旨も変化しつつあります。

 

②法改正の背景

 

有給は、原則として、「従業員の請求に沿って与えること」とされています。有給の取得率が低調な現状があり、政府からは、共に働く同僚への気兼ねや、請求することへのためらい等が理由と言われています。

 

有給の取得促進のため、労働基準法が改正され、2019年4月から、「全ての企業において、年10日以上の有給が付与される労働者(管理監督者を含む)に対して、年5日については、会社が年休の取得時季を指定し、取得させること」が義務付けられました。

 

下記の表に黄色で示す日数が付与される従業員が対象です。

 

③法改正より求められる対応策

 

5日の有給取得の確保は、会社の義務であり、取得させなかった場合には、「30万円以下の罰金」となります。現状に合わせた対策を採りましょう。以下3つご紹介します。

 

1)従業員の有給取得日数を管理する。

従業員が積極的に有給取得予定を立てており、慣習的に年5日以上の取得が見込まれる場合は、おおむねこれまでの運用で良いでしょう。有給消化日数の管理を徹底し、有給未消化の従業員をチェックしましょう。

 

2)会社から有給取得時季を指定する。

会社から従業員へ有給の取得時季について働きかけ、会社が有給の取得時季を指定する方法もあります。この場合には、従業員の意見を聞き、出来る限り従業員の希望に沿った取得時季となるよう、従業員の意見を尊重するように努めなければならないと定められています。

 

3)計画年休制度を利用する。

計画年休制度とは、年5日を超える有給については、前もって取得日を決めておくことができる制度です。あらかじめ就業規則等に記載し従業員へ周知、労使協定を結ぶことが運用上必要となりますが、確実に有給消化を進められます。以下の方法が厚生労働省より推奨されています。

 

【事業場全体の休業による一斉付与方式】

全労働者を休ませることが出来る事業場で主に採用されています。夏季、年末年始に有給を計画的に付与して大型の連休とすることもできます。

 

【班、グループ別の交代制付与方式】

定休日を増やすことが難しい事業場で主に採用されています。

 

【有給付与計画表による個人別付与方式】

個人別に計画表を作成して取得させます。夏季、年末年始、GWの他にも、従業員や家族の誕生日、結婚記念日等のあらかじめ日にちが確定した日を加えると実施しやすいです。

従業員の自主的な有給消化の難しい場合は、計画年休制度を採り入れることをお勧め致します。運用方法にお悩みであれば、エムケー人事コンサルティングまでご相談下さい。

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